「…姪っ子が中学校に入学するから、入学祝いを選ばなきゃ」
あっ!失礼しました。私の独り言です。
甥や姪、親戚の子供などが進学する際には入学祝いを贈ります。しかし、お子さんの年齢や興味関心、生活スタイルに応じて喜ばれるものが変わるため、入学祝いの品物選びは難しい面があります。かくいう私も今年、姪っ子の中学校入学における入学祝いの品物選びに頭を悩ませているところです。
この記事では入学祝いを贈る際に押さえておくべきマナーや、どのような品物を贈るかについて、お子さんの進学先別に紹介しています。最後までお読みいただきますと、お子さんのみならず、ご両親も喜んでいただける入学祝いを贈れるようになります。
入学祝いを贈る相手は身内か親戚
入学祝いを贈る相手は、基本的には身内や親戚に限られます。会社関係者や友人のお子さんに対して贈る必要はありません。
入学祝いはお子さんの趣味趣向、家庭の事情といった情報を加味したうえで品物選びをする必要があります。適度な関係では、品物選びがそもそも難しいといえます。
もちろん友人であっても深い付き合いをしている人ならば、入学祝いを贈っても問題ありません。
入学祝いを贈る時期は3月中
入学祝いは3月初旬〜末までに贈ります。公立の小中学校への進学といった自動的に進学が決まっているケースならば、3月の初旬に贈っても問題はありません。一方、私立の小中学校や高校、大学への進学は、合格が決まる前にお祝いを贈ってしまうのはNGです。
第一志望の学校へ合格できなくても、別の学校に進学が決まっているならば入学祝いを贈れます。進学を一年見送ると言った事情があるならば、その年は合格祝いを贈らないようにします。
なお入学祝いを贈る時期を逃してしまっても、4月中ならば贈ってかまいません。ただし遅れた場合にはお詫びの言葉を一言添えて、品物をお渡しするようにしましょう。
入学祝いに「現金」を贈る際のマナー
入学祝いに現金を贈る際のマナーを紹介します。
入学祝いの相場
入学祝いは贈る相手との関係と年齢によって、相場が決まります。以下の表に入学祝いの相場をまとめておりますのでご覧ください。
進学先/相手との関係性 | 孫 | 甥・姪・親戚の子供 | 友人の子供 |
---|---|---|---|
小学校・中学校 | 10,000〜30,000円 | 5,000〜10,000円 | 3,000〜5,000円 |
高校 | 10,000〜50,000円 | 10,000〜20,000円 | 5,000〜10,000円 |
専門学校・大学入学 | 30,000〜50,000円 | 10,000〜30,000円 | 5,000〜10,000円 |
自分の孫ならば10,000〜50,000円、姪や甥、親戚の子供に贈るときには10,000円、友人の子供ならば5,000円が入学祝いの相場となります。
入学祝いにおけるご祝儀袋のマナー
入学祝いにおける、ご祝儀袋のマナーについて紹介します。
水引は紅白の蝶結び
ご祝儀袋の水引には、紅白の蝶結びを選びます。
蝶結びは何度でも結んだりほどいたりできることから、お祝いごとの中でも「何度繰り返しても嬉しい出来事」に対して使われます。
熨斗(のし)の意味
熨斗とは包装紙についている飾りのことです。熨斗は縁起物として古来より贈り物に添えられてきた「干しアワビ」が由来になっています。
お祝いに使用するのし紙やご祝儀袋には、熨斗のついたものを選びましょう。
表書きは「御入学御祝」を選ぶ
表書きには「御入学御祝」か「御入学」を使用します。
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なお「御入学祝」は避けた方が無難です。4文字の表書きは「死文字」と呼ばれ、縁起が悪いとされているためです。
また表書きを書く際は、サインペンか筆ペンを使用しましょう。
注意点として、薄墨タイプの筆ペンは使用しないようにしましょう。薄墨タイプのペンは「涙で墨が淡くにじんでしまった」という意味がこめられており、弔事に使用するものです。
名前の書き方
水引の下に、表書きの文字より少し小さくなるように自分のフルネームを書きます。
中袋の書き方
ご祝儀袋にそのままお金を入れるわけではありません。まずはお札を中袋に入れ、内袋をご祝儀袋に入れます。
内袋の表面には包んだ金額を書きます。漢数字は旧字体で書くのが正式なマナーです。たとえば「1万円」を包むならば「金壱萬円」と記入します。
バランスよく書くコツは「金」の文字と、「壱萬円」の文字の感覚を一文字分開けることです。なお、よく使う旧字体を下の表にまとめたのでご確認ください。
新字体 | 旧字体 |
---|---|
一 | 壱 |
三 | 参 |
五 | 伍 |
七 | 七 |
十 | 拾 |
千 | 阡 |
万 | 萬 |
中袋の裏には、以下のように住所や名前を書きます。
現金の入れ方のマナー
現金の入れ方のマナーを解説します。お札・中袋を入れる向きについては、下の画像をご参照ください。
なお、入学祝いに使用するお札は新札を用意しましょう。新札を確実に手に入れる方法は銀行・郵便局の窓口で交換してもらうことです。多くの場合、銀行窓口が空いている時間は、平日15時までと限られているので、計画的に準備する必要があります。
和紙を折り込むタイプのご祝儀袋の折りかた
ご祝儀袋の中には封筒タイプではなく、和紙を折り込むタイプのものがあります。裏を織り込む際、祝儀用と不祝儀用では折り方が違います。
ご祝儀袋の裏は下を上に被せるように折り込むのが正解です。
入学祝いにおける品物の選び方や贈る際のマナー
入学祝いにおける品物の選び方や、贈る際のマナーについて解説します。
入学祝いの品物選びで押さえておくべき4つのポイント
入学祝いの品物選びで押さえておくべき4つのポイントは以下のとおりです。
- 新生活を想定して実用的なものを贈る
- 学校の校則範囲内で使えるものを選ぶ
- 家庭の方針に沿うものを選ぶ
- 何を贈るか決めかねるときは商品券・図書券がおすすめ
それぞれくわしく紹介します。
新生活を想定して実用的なものを贈る
新生活を想定して実用的なものを贈りましょう。たとえば文房具やスポーツ用品など学校で使えるものを贈ると喜ばれます。
ただしお子さんの趣味に合わないものを贈ってしまうと、使ってもらえないこともあります。好きな色やデザインなどを親や本人にリサーチしたり、一緒に買いに行ったりするとよいでしょう。
学校の校則範囲内で使えるものを選ぶ
学用品を贈る際には、校則をクリアできているかを事前に確認する必要があります。たとえば文房具やスポーツ用品、通学用のバッグなどを贈る際は注意が必要です。
家庭の方針に沿うものを選ぶ
入学祝いはお子さんの欲しがるものを贈れば良いわけではありません。親の方針で、まだ与えたくない品物があるかもしれません。
たとえばゲーム・ブランド品・携帯電話といった品物は、与えるタイミングを慎重に図っている親御さんもいらっしゃいます。両親の把握していないところでお子さんと口約束してしまうと、トラブルにつながりかねません。
必ず両親のご意向も汲み取りながら、入学祝いの品物を選ぶようにしましょう。
何を贈るか決めかねるときの頼みの綱は商品券・図書券
入学祝いを決めかねるときに無難に贈れる品。それが商品券や図書券です。親戚でも離れて暮らしていると、お子さんの好みや家庭の事情があまりつかめないこともあるでしょう。
商品券や図書券ならば、相手に使い道を委ねることができるため喜んでもらえます。
実際に今年、私の家庭では娘が小学校へ進学し、お祝いとして図書カードをいただいています。算数や時計の読み方のドリルを買いそろえることができたので、すごくありがたい贈り物だったなと思っています。
【進学先別】入学祝いにおける定番の品物
ここでは進学先別に定番の品物を紹介します。品物選びに迷うならばぜひ参考にしてくださいね。
入学祝いに適した贈り物【小学生編】
お子さんが小学生へ進学する際に、適した入学祝いの品物を紹介します。
ランドセル・学習机
ランドセルや学習机は高額な品物のため、お孫さんへの贈り物に限られるかと思います。長い期間使うもののため、色やサイズ、デザインをしっかり吟味して選びたいものです。両親・本人と一緒に買いに行くのがベストでしょう。
文房具のギフトセット
文房具のセットは高級なものであっても比較的お手頃な価格で贈れるため、友人のお子さんに贈る品物にもぴったりです。
ただし学校によっては文房具のサイズや柄など、校則で指定されているケースもあります。事前のリサーチが必要になるでしょう。
色鉛筆
色鉛筆は入学祝いにおいて定番の一品といえます。豊富なカラーの色鉛筆は小学生のお子さんへの受けもよいでしょう。目安として36色以上のものを選ぶのがおすすめです。
電動の鉛筆削り
電動の鉛筆削りは小学生になるとほぼ毎日使用する、実用性の高い品物です。ただし既に用意してあるといった場合もあるため、事前に確認しておいたほうがよいでしょう。
目覚まし時計
目覚まし時計は、自分で起床する習慣を身につける助けになる品物のため、重宝します。
時計の読み方を覚えてもらえるように、アナログタイプの時計を贈るのがおすすめです。
地球儀
地球儀はお子さんの知的好奇心を刺激する品物として、入学祝いに贈られる品物です。
音声や画像で解説してくれるタイプの高機能な地球儀は、お子さんが楽しみながら学べるため贈り物として人気があります。
入学祝いに適した贈り物【中高生編】
お子さんが中学校や高校へ進学する際の入学祝いに適した贈り物を紹介します。持ち物に対する校則が少なくなったり、行動範囲が広がったりと環境が大きく変わるため、贈り物の選択の幅も広がります。
一方で、子供の好みは一段とはっきりします。気に入ったものでないと使ってもらえないこともあるので、両親や本人へのリサーチを念入りにして贈る物を決める必要があります。
自転車
自転車は高額な品物のため、お孫さんへの入学祝いに限られるでしょう。通学に欠かせないアイテムですので非常に喜ばれます。
バッグ
活動の範囲がグッと広がる中高生への贈り物としてバッグはおすすめです。
学校行事や部活動で使用できるスポーツバッグや、お出かけの際に使用できるおしゃれなバッグなどお子さんの希望に合わせて選びましょう。
腕時計
腕時計も入学祝いの贈り物としておすすめです。これまで子供っぽいデザインの腕時計しか持っていなかったお子様ならばとても喜ばれます。
財布
お友達とともに放課後や休日に買い物へ行く機会が増えるため、財布は重宝します。1〜2万円程度で購入できる少し上質な財布は、入学祝いの贈り物にぴったりです。
入学祝いに適した贈り物【専門学校・大学生編】
大学生となると一人暮らしを開始するお子さんが多くなります。そのため一人暮らしで役立つ品物を贈るととても喜ばれます。
生活家電
一人暮らしに必要な生活家電はおすすめです。
たとえば加湿器やドライヤー、コーヒーメーカー、電動歯ブラシなど一人暮らしを始める際に買いそろえる必要のあるものは重宝します。
ただし、既に買い揃えた物を贈ってしまわぬよう、確認してから贈る必要があるでしょう。
キッチン用品
一人暮らしで自炊を始めるお子さんには、キッチン用品のプレゼントがおすすめできます。たとえば鍋やフライパンのセットなどを贈ると非常に喜ばれるでしょう。ル・クルーゼやティファールといった上質なものがギフト用として人気です。
入学祝いにかけるのし袋のマナー
入学祝いにのし袋をかける際のマナーを紹介します。
水引は蝶結びを選ぶ
ご祝儀袋と同じく水引は以下のような5本か7本の紅白の蝶結びを選びます。
表書きのマナー
のし紙の表書きには「御入学」または「御入学御祝」を使用しましょう。
名前の書き方
水引の下に、表書きの文字より少し小さめの文字で自分のフルネームを書きましょう。
のし紙の付け方
手渡しの場合と配送する場合では、品物へののし紙の付け方を変える必要があります。
品物を持参するならば、目的や誰から贈られたものかが一目でわかるように、品物を包装紙で包んだ上からのし紙を付ける「外のし」を選びます。一方、配送するならばのし紙が破れないように、品物の箱にのし紙を付けてから包装する「内のし」を選択するのがベターです。
まとめ
この記事では入学祝いを贈る際のマナーや品物の選び方を紹介しました。
入学祝いについて押さえておくべきポイントは以下のとおりです。
- 入学祝いを贈る時期は3月中
- ご祝儀袋の水引は紅白の蝶結びを選ぶ
- 表書きには「御祝い」か「御入学御祝」のいずれかを使用する
- 姪、甥や親戚の子供に送るなら10,000円、友人の子供なら5,000円が相場
- 入学祝いの品物は年齢と本人との関係性に応じて贈るものを選ぶ
品物の詳しい選び方については、記事の中で詳しく紹介しています。参考のうえ品物を選んでみてくださいね。
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